マーラー「嘆きの歌」
 
 私たちグリーン・エコーは、現在マーラーの「嘆きの歌」という曲に取り組んでいます。
まだ音取り練習の段階ですが、これから練習場で作り上げていく音にワクワクしているところです。

さて、「嘆きの歌」を聴かれたことはあるでしょうか?作曲はあの有名なグスタフ・マーラー。作曲のみならず作詞も本人のものだそうです。まだ学生であった頃の、最初期の作品です。
ストーリーはどのようなものか?と言いますと、これは当時すでにあった民話などを題材にしており、決して複雑ではありません。


ある国に美しい王女がおり、森に生えているというある赤い花を取ってきたものが王女と結婚できるという話です。そこにとある兄弟が登場し、花探しをするため、森に行くのです。
(この兄弟の設定として、兄はイヤな人で、弟は良い人となっているようです)
森で花を探す兄弟。先に見つけたのは弟でした。ここで登場する邪悪な兄。ようやく見つけた花を身に着けてしばし休息を取っている弟を、あろうことか刀にかけてしまいます。何とあわれな弟よ!
結局、兄の手柄となるのですが、一方で兄の手で生涯を終えてしまった弟はどうなったか?
彼はそのまま骨になりましたが、たまたま一片の骨を見つけた人がいて、弟の一本の骨から笛を作ったのです(何かイキナリな展開ですね)。そして、その笛を吹くとどうなったか?


続きはまだあるのですが、大まかにはこのようなストーリーです。
最後はどうなるのでしょうか?決してハッピーエンドではなく、ちょっともの哀しい。ある意味マーラーの人生観を表していたりするのでしょうか。
音楽はとても美しくオーケストラ編成も大がかりだそうです。ところどころフレーズが繰り返し使用されていて、聴いているうちに耳慣れた感覚になっていきます。若い頃のマーラーの作品ですが、本当によく練り込んで作ってあることが分かりますね。美しく重厚でありながら決して難解な音ではない。質・量ともに、十分な聴きごたえのある作品です。
みなさんも、この作品の世界を味わってみませんか。